No.5(地中海東岸の諸民族)  : 

「ユダヤ教の成立過程と内容とはどういうものか?」

エジプトで奴隷にされたヘブライ人が、B.C.13世紀にモーセに導かれエジプトを脱出
した。これを「出エジプト」と言う。その時モーセは、シナイ山で神から「十戒」を授け
られる。B.C.1000年頃にヘブライ王国が成立するが、B.C.10世紀に分裂。南に成立
したユダ王国もやがて新バビロニアに滅ぼされ、その都バビロンに強制移住させら
れる。これをバビロン捕囚と言う。これらの二度の民族的受難により、律法主義と選
民思想を特徴とするユダヤ教が成立した。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:
史上初の本格的な一神教であるユダヤ教について、それが中東問題の理解に欠か
せないイスラエル国家の建設につながることを念頭に置きつつ、知的好奇心を高め
て学習に臨んでいる。

思考・判断:
「民族的受難」を「神に選ばれた証拠」と受け取るとともに、その苦難の克服を通して
強い仲間意識を育んでいったユダヤ民族について、偏見を持つことなく客観的に考
察している。

資料活用の技能・表現:

「出エジプト」についてはモーセの十戒を、「バビロン捕囚」については『旧約聖書』の
詩篇の一節を、資料として有効に活用している。

知識・理解:

キリスト教やイスラーム教にも受け継がれる、源流思想としてのユダヤ教の特徴を理
解し、その基本的な知識を身につけている。